おっぱいの悩みを調べる中で「桶谷式」を知り、気になっていませんか?
- 何だか怪しそう
- 一般の母乳ケアとどう違うの?
このような不安や疑問を抱く方もいるかもしれません。
桶谷式とは、認定を受けた助産師が行う独自の母乳育児方法のことです。痛みの少ないおっぱいマッサージが受けられるほか、授乳指導や育児相談にも対応してくれます。
ただし、利用を考えているなら、知っておきたい特徴もあります。
この記事では、桶谷式のメリットや注意点、施術を受けられる場所について解説します。
桶谷式とは?
桶谷式(正式名称:桶谷式乳房管理法)とは、専門技術を習得した助産師が行う、乳房マッサージと母乳育児支援の方法です。
桶谷式は、おっぱいへの直接的なケアだけでなく、生活へのアドバイスや断乳・卒乳の相談にも対応。母乳育児を一貫してサポートしてくれる点が特徴です。
乳房マッサージ方法のひとつ
乳房マッサージにはいくつかの手法がありますが、桶谷式はできるだけ痛みを与えないように行う手技を特徴としています。
桶谷式マッサージは、助産師の桶谷そとみさんが考案した方法です。桶谷そとみさんは、戦時中に栄養不足で命を落とす赤ちゃんを目の当たりにし「母乳を出せるようにしたい」という思いから、独自の手法を確立しました。
桶谷式の根底には、ママの体調やおっぱいの調子が、赤ちゃんの健やかな成長につながるという母子一体性の理念があります。
また「赤ちゃんがおっぱいを吸い、ママの母乳が作られる」という哺乳動物本来のリズムを大切にサポートするのが、桶谷式の考え方です。
認定を受けた助産師だけが行う
桶谷式を用いて施術できるのは「桶谷式乳房管理士」の認定を受けた助産師のみです。桶谷式乳房管理士は、桶谷式の技術を身につけるために1年間の研修を受けます。
桶谷式乳房管理士の資格をもつ助産師は、2025年4月1日時点でわずか545名。認定を受けた後も技術を磨きながら、母乳育児の専門家として活動しています。
桶谷式が「怪しい」と思われる理由
インターネットで検索すると「怪しい」「宗教的」といった言葉が出てくるため、不安になる方もいるでしょう。ネガティブな印象を持たれやすいのは、母乳育児を大切にする方針にあると考えられます。
桶谷式では「母乳の質は、ママと赤ちゃんを取り巻く環境そのものに影響される」という考えのもと、ママの食事や授乳への指導も行われます。
「食事は和食中心に」「授乳は3時間おきに」といった踏み込んだ助言もあるため、人によっては厳しいと感じることもあるようです。
こうした助言の背景には、母乳育児がうまくいってほしいという助産師の思いがあります。
母乳育児は、何日か練習しただけで上手くなるものではありません。ママも赤ちゃんも初心者なので、根気よく練習していくことが必要です。
桶谷式は、母乳育児に困ったときに頼りになります。怪しさが不安な方は、まずは桶谷式の特徴を知ることから始めてみましょう。
桶谷式と一般的な母乳ケアの違い
母乳の悩みを相談したいときに、桶谷式を提供する施設と一般的な母乳外来、どちらに行けばいいのか迷う方もいるでしょう。
どちらも母乳トラブルに対応していますが、ケアの方法や担当者の専門性、サポート内容に違いがあります。
| 桶谷式 | 一般的な母乳ケア(病院) | |
| ケア方法 | 独自の手技による乳房ケア | 施設によって異なる |
| 主な特徴 | ・基底部(乳房の付け根部分)を中心にほぐす ・張りや詰まりのある部分に直接触れにくく、痛みが少ない | ・主に乳腺組織にアプローチする ・張りや詰まりのある部分に触れると、痛みを伴うこともある |
| 担当者 | 桶谷式乳房管理士の認定を受けた助産師 | 助産師(経験・専門性は施設によって異なる) |
| サポート | ・母乳トラブルに対するケア ・食事指導・授乳支援 ・育児相談 ・断乳・卒乳アドバイス | ・母乳トラブルへの対応が中心 ・授乳指導や育児相談の有無は施設によって異なる |
| 向いている人 | 授乳全般の悩みをじっくり相談したい人 | 高熱や強い痛みなど緊急性がある人 |
桶谷式では、より母乳育児に特化したケアが受けられます。認定を受けた助産師のみが施術するため、マッサージのスキル面は一定の水準が保たれています。一時的なトラブルだけでなく、再発予防を含めた継続的な育児支援に対応しているのも特徴です。
一方、病院で行っているような一般的な母乳外来は、特定の手法がないことがほとんどです。提供されるケアの方法や施術者のスキルは、助産師ごとに異なります。
母乳育児中のトラブルや悩みを相談したいときには、桶谷式など専門的なケアを提供できる施設が向いているでしょう。高熱や強い痛みを伴うときは医師の診察が必要なケースもあるため、病院の母乳外来を受診しましょう。
桶谷式のメリット
桶谷式は、痛みに配慮した手技で、母乳の悩みやおっぱいトラブルだけでなく、授乳練習や育児相談にも対応してくれます。
ここからは、桶谷式のメリットを深堀りしてご紹介します。

母乳がスムーズに出るようサポートしてくれる
桶谷式の公式サイトによると、ママたちが桶谷式を訪れる理由として最も多いのは母乳量への不安で、全体の約31%を占めているそうです。

桶谷式マッサージでは、乳腺そのものではなく、乳腺と大胸筋の間にある「基底部」を中心にほぐします。これは、基底部が乳房の機能に大きく関わっており、縮んで大胸筋にくっついた状態になると、おっぱい全体が硬くなり、母乳の分泌にも影響が出ると考えているためです。
基底部をほぐして動きをよくすることで、おっぱいが柔らかくなり、母乳がスムーズに出やすくなります。
マッサージ中は、母乳を手で絞り出す「搾乳」も並行して行われます。赤ちゃんに吸われているときと同じ感覚に近くなるよう、速さや力加減を細かく調整しながら進めていきます。
特に生後1〜2ヵ月未満は、母乳育児が軌道に乗りにくい時期です。母乳の出が気になる方は相談してみるといいでしょう。
おっぱいトラブルをケアしてもらえる
桶谷式は、さまざまなおっぱいトラブルに対応しています。
- 詰まり
- しこり
- 白斑(乳頭にできる白いできもの)
- 乳頭の傷・痛み
乳房トラブルの主な原因は、赤ちゃんがおっぱいをうまく吸えないことや、望ましい間隔で授乳できていないことなどです。
桶谷式マッサージで詰まりやしこりを緩和し、トラブルの根本的な原因も追究してくれます。また、赤ちゃんの飲み方や適切な授乳間隔のアドバイスもしてくれるため、今あるトラブルへのアプローチだけでなく、トラブルの再発防止にもつながります。
マッサージの痛みが少ない
「おっぱいマッサージは痛い」と聞いて心配な方や、別のマッサージを受けて痛い思いをした方はいるかもしれません。
桶谷式は、指先でおっぱいの組織をつかまず、手のひら全体を使ってやさしく動かすため、施術中の痛みを感じにくいのが特徴です。実際に、桶谷式マッサージを受けた方からは「心配していた痛みはなかった」「気持ちいいのにスッキリした」といった声が寄せられています。
桶谷式の資格もった人のマッサージを今回受けたんだけど、今までマッサージは痛気持ちいいものだと思ってたら、ただただ気持ちの良いもので「これが母の言ってたやつか!」ってなった。本当に上手い人のマッサージは痛み0で、ただ気持ちいいのにスッキリするって本当だった
— *そい* (@1219soi) September 29, 2019
桶谷式、1回ではまだ目に見えた変化はないけど行く前に心配していた
— ほるもん☺︎𝟙𝟘𝔪ꗯ̤̮ (@PreMAMA_Diary) June 14, 2025
・マッサージ時の痛み
・キラッキラの助産師さんに母🆕の素晴らしさを切々と説かれて気おくれしてしまうのではないか⁇
という点は大丈夫だったので、しばらく通ってみることにしました😌
痛みに恐怖がある人も、桶谷式であれば安心して利用できるかもしれませんね。
授乳練習や育児相談もできる
母乳育児がうまくいかない原因は、次のようにさまざまです。
| 赤ちゃんの飲み方 | ママの姿勢 | 乳首の形 |
| ・乳首を浅くくわえている ・吸う力が弱い | ・抱き方が合っていない ・姿勢が安定していない | ・扁平乳頭・陥没乳頭 |
桶谷式では、ママと赤ちゃんそれぞれの状態に応じて、飲ませやすい方法を個別に指導してくれます。助産師と一緒に正しい姿勢や吸わせ方を確認すると、授乳がスムーズになるでしょう。
また、一般的な母乳外来と同じように、赤ちゃんの体重測定や育児相談にも対応してくれます。授乳中のことだけでなく、離乳食の進め方や断乳・卒乳についてもサポートしてくれるのは大きなメリットです。
桶谷式マッサージの注意点・デメリット
桶谷式には、事前に知っておきたい注意点もあります。利用を検討する方は、デメリットとなりうるポイントも確認しましょう。

効果には個人差がある
桶谷式マッサージの効果の感じ方は、人によって異なります。すぐに変化を感じることもあれば、数回通って少しずつ改善していくこともあります。
必ずしも1回で効果が出るとは限らないことを認識し、ご自身が納得した上で利用することが大切です。
助産師と相性が悪いこともある
桶谷式を受けた方から「指導が厳しい」といった声が聞かれることもあります。
桶谷式に限った話ではなく、母乳のケアはマンツーマンで行われるため、助産師との相性がよくないと施術そのものがストレスになるかもしれません。
もし合わないと感じたら、別の施設を探すといいでしょう。
相談できる場所が限られる
桶谷式マッサージを受けるには、桶谷式乳房管理士がいる施設を探す必要があります。
桶谷式を提供する助産院は「母乳相談室」といい、全国に約330ヵ所ありますが、一般の母乳外来に比べると施設数は少ないため、すぐに見つけられないかもしれません。
トラブルが起きたときに慌てないよう、事前に桶谷式を受けられる施設を調べておくといいでしょう。
桶谷式を受けられる施設
桶谷式は、次のような施設で受けられます。
- 「母乳相談室」と掲げている助産院
- 桶谷式乳房管理士が在籍する病院
お住まいの地域の母乳相談室は、桶谷式公式サイトから検索できます。
一般の病院に桶谷式乳房管理士が在籍するかどうかは、個々に問い合わせる必要があります。確実に桶谷式のケアを受けたい方は、母乳相談室を選ぶといいでしょう。
桶谷式の料金の目安
桶谷式は健康保険の適用外であり、全額自己負担となります。おおよその目安は以下のとおりです。
| 項目 | 料金の目安 |
| 初診料 | 6,000〜7,000円程度 |
| 再診料 | 4,000〜5,000円程度 |
| 訪問の場合 | 上記+交通費 |
| 時間外・休日 | 2割増し |
※あくまでも一例です。詳しくは各施設にご確認いただくのが確実です。
自治体によっては産後ケア事業の対象となり、費用の負担を抑えられるかもしれません。お住まいの地域の公式ホームページで、産後ケア事業の情報を確認してみるといいでしょう。

なお治療を目的とした乳房マッサージの料金は、医療費控除の対象になります。ご自身が受けた施術が対象となるかは、各施設に確認してみましょう。
桶谷式についてよくある質問
桶谷式について、よくある質問にお答えします。桶谷式が気になっている方や利用を検討している方は、ぜひ参考にしてみましょう。
桶谷式の食事制限は厳しいですか?
桶谷式では「ママの栄養が母乳の質に影響する」という考え方があるため、食事指導を受けることがほとんどです。ただし、特定のものを禁止する極端な制限はありません。
次のように、基本的な提案がほとんどです。
- 脂肪分の多いものを控えめにする
- 和食中心のバランスのいい献立にする
母乳が安定していれば、ときには甘いものを食べてもいいとする助産師もいるようです。
桶谷式はいつまで3時間おきなのですか?
桶谷式で3時間おきの授乳をいつまで続けるかは、助産師によって考え方が異なります。
望ましい授乳間隔は、おっぱいの様子や赤ちゃんの離乳食の進み具合などによって異なります。疑問や不安は、遠慮なく助産師に相談してみるといいでしょう。
桶谷式の哺乳瓶「母乳相談室」はどこで買えますか?
哺乳瓶の「母乳相談室」は、桶谷式を提供する施設や一部の産院、Amazon・楽天などのネット通販で購入できます。
ミルクから母乳に移行するためのトレーニング用として作られた製品であり、店頭では販売されていません。
「母乳相談室」を用いて正しい飲ませ方をするには、桶谷式乳房管理士のアドバイスが必要です。購入したら、近くの母乳相談室で使い方を相談しましょう。
桶谷式について知って検討しよう
桶谷式では、痛みの少ない独自のマッサージと、授乳指導や育児相談を受けられます。母乳の出に不安があるとき、おっぱいトラブルで困っているときなど、授乳に不安があるときは、助産師に相談してみるだけでラクになるかもしれません。ときにはプロに頼りながら、母乳育児を楽しみましょう。
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