新生児の頭の形や吐き戻しが心配で、ベビー用の枕を探していませんか?
ドーナツ型・傾斜型・くぼみ型などさまざまなタイプが販売されていますが、実は、どの枕も必要ありません。むしろ安全面を考えると、新生児期は枕の使用を控えることが推奨されています。
この記事では、新生児(生後28日未満)に枕が必要ない理由と危険性、頭の形や吐き戻しが気になるときの対処法を解説します。
思わぬ事故から赤ちゃんを守るために、枕の取り入れ方について参考にしてください。
新生児の頭の形を整えるのに枕は必要?
赤ちゃんの絶壁や歪みが気になる人もいるかもしれませんが、頭の形を整える目的で枕を日常的に使う必要はありません。
赤ちゃんの頭蓋骨は柔らかく変形しやすい特徴があります。生後5〜6ヵ月ごろになり寝返りし始めると、頭の一部へ圧力がかかりにくくなるため、形は自然に整っていきます。そもそも枕は、S字カーブである大人の首に合わせて作られている寝具です。新生児は首にくびれがなく、背骨全体が丸いC字型であるため、枕そのものが合いません。
赤ちゃんにとっては、平らなところ頭を乗せる姿勢が最も自然です。

新生児の吐き戻し対策に枕は必要?
吐き戻し対策としても枕は必要ありません。吐き戻しは新生児によく起こる現象で、ほとんどの場合、授乳の仕方、授乳後の姿勢の工夫で対応できます。
あまりに吐き戻しする回数が多い場合は、胃の圧迫を軽減したり、吐き戻したときの窒息リスクを下げたりする目的で、からだ全体にゆるやかな傾斜をつけて寝かせることもあります。傾斜をつける場合は、ベッドインベッドなど全身を支えられる製品を用いるのが一般的です。枕を使うと頭だけが高くなり、角度がつきすぎてしまいかえって窒息リスクにつながってしまうためです。
また、ベッドインベッドを使用する場合も、傾ける角度に注意が必要です。アメリカの消費者製品安全委員会は、10度以上の傾斜をつけられるベビー用寝具の販売そのものを禁止しています。日本ではこうした製品に対する法律規制がありませんが、どうしても傾斜をつけたい場合は10度以下で使用するのが望ましいでしょう。
新生児に枕を使う危険性について

枕は大人の首に合わせてつくられた寝具であり、新生児には不要です。むしろ、安全面を考えると使用は控えた方がいいとされています。
睡眠中の事故を防ぐために、枕を使うのが望ましくない理由についても理解しておきましょう。
窒息
枕は赤ちゃんの窒息事故につながるリスクがあるため、国内外で使用を控えるよう呼びかけられています。特に新生児は、自分で頭の位置を変えたり顔を持ち上げたりすることができません。万が一、顔が枕に埋もれてしまうと呼吸ができなくなってしまいます。
米国消費者製品安全委員会の報告によると、1歳未満の乳児の窒息死に関わった寝具のうち、枕は24.5%と最も多くを占めています。窒息のリスクを含む寝具は、枕だけではありません。柔らかすぎるマットレスやクッション、ぬいぐるみも同じように注意が必要です。
よだれ掛けやコード類も、顔を覆ったり首に巻きついたりする危険があります。事故を防ぐためには、何も置かないシンプルな環境を保つことが大切です。
参考:乳児の安全な睡眠環境の確保について 2024年改訂「寝ている赤ちゃんのいのちを守るために」(こども家庭庁)に関する見解|公益社団法人 日本小児科学会
SIDS(乳幼児突然死症候群)
SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクを下げるためにも、枕を使わず平らな場所で寝かせることが奨められています。
SIDSとは、何の予兆もなく赤ちゃんが亡くなってしまう病気です。日本では令和6年に55名の赤ちゃんがSIDSで亡くなっており、乳児期では3番目に多い死因です。SIDSが生じる原因は解明されていませんが、仰向けに寝かせた方が発症率は低いことが分かっています。
新生児に枕を使うと、からだの位置が不安定になり、眠っているうちにうつ伏せになってしまうことがあるかもしれません。SIDSへのリスクを減らすためにも、枕の使用は慎重に考えた方がいいでしょう。
参考:赤ちゃんが安全に眠れるように ~1歳未満の赤ちゃんを育てるみなさまへ~|こども家庭庁
新生児の頭の形や吐き戻しが気になるときの対処法
新生児のうちは枕は使わない方がいいと分かっても「頭の形が気になるときはどうしたらいいの?」「吐き戻しが心配…」と迷う人もいるでしょう。
ここでは、頭の形や吐き戻しが気になるときのケアを紹介します。

頭の形が心配な場合
赤ちゃんの頭のゆがみは、ほとんどが「位置的頭蓋変形」と呼ばれるものです。位置的頭蓋変形は赤ちゃんによくあることで、基本的には脳や発達への影響はないと言われています。
位置的頭蓋変形は寝る向きだけでなく、ママのお腹にいたときや生まれてくるときに受けた圧力も関係しています。変形が軽い場合は、寝返りをするようになると自然に目立たなくなりますが、心配な場合は、抱っこのたびに寝かせる向きを変えるといいでしょう。
同じ方向ばかり向いていると、噛み合わせに影響したり、体・顔に左右差が生じたりする可能性もあります。「からだを支える目的」で、一時的に枕を活用することもありますが、安全のために日中のふれあう時間だけにするなど、しっかり見守れる環境で使うことが大切です。
どうしても頭の形が心配な場合は、1ヵ月健診で相談してみてください。生後2ヵ月以降は「タミータイム(腹ばい遊び)」も、頭の形を整えるのに効果があるといわれているため、取り入れる時期や家庭でできる工夫を聞いてみるといいでしょう。
吐き戻しが心配な場合
吐き戻しが心配な場合は、授乳後にしばらく縦抱きにして、しっかりゲップをさせてあげましょう。
新生児の胃は縦長で、胃の入り口(噴門部)の筋肉が未熟なため、母乳やミルクが逆流しやすくなっています。この吐き戻しは「溢乳(いつにゅう)」と呼ばれ、飲み過ぎやゲップがうまくできないことで起こります。ゲップを促すには、赤ちゃんの頭を肩にのせて背中を軽くトントン叩く方法や、前傾姿勢にして背中をさする方法があります。
ただし以下のような場合は、病気の可能性や脱水の心配があるためすぐに受診しましょう。
- 吐き戻しが頻繁で苦しそう
- 噴水のように勢いよく吐く
- 体重の増えがよくない
新生児の枕についてよくある質問
新生児の枕についてよく寄せられる質問に回答します。
赤ちゃんの枕はいつから使えますか?
「新生児から使える」と謳っている商品もありますが、赤ちゃんの安全を守るために、少なくとも1歳を過ぎるまでは使用を控えましょう。
SIDSや窒息のリスクを減らすために、1歳頃までは何も置かない平らな場所で寝かせることが推奨されています。
ドーナツ枕も新生児には危険ですか?
ドーナツ枕は中央がくぼんでいるため、顔が沈み込んだり隙間に挟まったりして呼吸が妨げられる危険があります。また、現在のところドーナツ枕が頭の形への効果を示すことは医学的に証明されていません。
安全面を優先し、使用は控えるのが望ましいでしょう。
新生児の枕はタオルで代用できますか?
おすすめできません。赤ちゃんが動くことで、タオルが顔にかぶさる危険があります。
吐き戻し対策でタオルを使いたい場合は、シーツの下に敷いてください。赤ちゃんが動いてもズレないように、ピンと張ったシーツの下に固定するといいでしょう。
まとめ|新生児の安全を守るために枕の使用は慎重に
頭の形や吐き戻しが気になる場合は、枕を使うのではなく、お世話の仕方を工夫してみましょう。
頭の形も吐き戻しも、成長とともに落ち着いていくことが多いとされていますが、心配な場合は1ヵ月健診で相談してみてください。出産した病院や近くの助産院に相談するのもいいでしょう。
赤ちゃんの成長に合わせた睡眠環境を整えていきましょう。
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