- 産後のむくみはいつまで続くの?
- 産後のむくみを解消したい
産後はホルモンの変化や水分のバランスが崩れることで、普段よりむくみやすい状態です。
この記事では、産後に起こるむくみの原因とメカニズム、そしてむくみの効果的な解消方法をご紹介します。
産後のむくみに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
産後のむくみはいつまで続く?
産後のむくみは、産後2〜3日に起こりはじめ、産後1ヵ月くらいには落ち着くことが多いとされます。
出産直後は、大量の水分が失われて体内の水分バランスが大きく変化します。また、産後しばらくは、からだを休める時間が必要になるため運動不足になったり、睡眠不足が続くことで、とてもむくみやすい状態です。
しかし、ほとんどの場合、産後1ヵ月ごろには自然に症状が落ち着いていきます。
産後のむくみはなぜ起こる?

産後のむくみは、ホルモンバランスの乱れや産後疲れなどが原因です。
産後のむくみは、いわゆる「産後太り」とは異なるものです。
ホルモンバランスの乱れ
出産すると、エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンが急激に減少します。
エストロゲンやプロゲステロンは体内の水分バランスを整える働きをしているため、減少することで体内の水分バランスの調整が崩れてむくみにつながってしまうのです。
体内の血液や水分量の変化
出産すると大量の羊水や血液が体外に出ていくので、体は失った水分を補おうとします。
また、産後は母乳によっても体内の水分が失われるため、より一層水分を溜め込む状態になりやすく、体内の水分量が一時的増え、むくみが起こりやすくなります。
産後の睡眠不足や疲れ
産後は昼夜関係を問わず育児が続くため、慢性的な睡眠不足になります。また、慣れない育児によるストレスも重なり、かなり疲れが溜まりやすい状態です。
睡眠不足や疲労が蓄積すると自律神経の乱れがおこります。自律神経が乱れると、交感神経が有利になって血液やリンパの流れが悪くなり、顔や手、足にむくみが生じるのです。
運動不足
運動不足も、産後のむくみの原因の一つです。
体を動かすことが少ないと血液やリンパの流れが悪くなり、体内に水分がたまりやすくなります。
特に授乳中は同じ姿勢が長く続くため、血流やリンパの流れがさらに滞りがちです。
産後にむくみやすい部位

ここからは、部位別のむくみの症状をご紹介します。
足
産後は多くのママが足のむくみを経験します。
次のように感じたら、足がむくんでいる証拠です。
- 靴下の跡が残る
- 靴が履きづらい
- 歩きづらい
「ふくらはぎ」は血液を心臓へ戻す働きを担っています。そのため、運動不足になったり長時間同じ姿勢でいたりすると、ふくらはぎの動きが少なくなり、足全体のむくみにつながると考えられます。
手
産後に手のむくみを感じる人もいます。手がむくむと指を曲げづらいと感じます。また、手のむくみがひどくなると、指輪が抜けなくなってしまうこともあります。
顔
顔がむくむと、まぶたが重く感じたり目の開きにくさを感じたりします。鏡を見たときに顔がパンパンになっている場合は、顔がむくんでいるかもしれません。
産後の顔・手・足のむくみを解消する方法

産後のつらいむくみに悩んでいる方は、以下の方法をぜひ参考にしてみてください。 これらのケアは、なるべく続けることでより効果を実感しやすくなります。
足を高くして休む
足を高くすることで、ふくらはぎに溜まった血液やリンパ液が心臓に戻りやすくなり、むくみの軽減につながります。
また、足を高くして休むことは疲労の回復にも効果的です。授乳や育児によって長時間座っていることが多く、足の疲れを感じている人にもおすすめです。
着圧ソックスを履く
着圧ソックスは足へ適度な圧力をかけることで血液やリンパ液の流れを促し、心臓へ戻りやすくしてくれます。
ただし、サイズが小さすぎると圧力が強すぎてかえって血行を悪させてしまう可能性があります。自分にとって心地よいと思うサイズを選ぶようにしましょう。
湯船につかる・足湯をする
産後のむくみ改善には、入浴や足浴が効果的です。お湯に浸かることで副交感神経が優位になり収縮していた血管が広がり、ふくらはぎで滞っていた血液が心臓へ戻りやすくなります。
できれば入浴をした方がいいですが、産後1ヵ月健診で医師の許可をもらうまでは入浴できません。入浴できない場合は、足湯をして体を温めましょう。
軽い運動をする
足のむくみ改善には軽い運動がおすすめです。ふくらはぎを動かすと心臓へと血液を戻す働きが促され、むくみの軽減が期待できます。
例えば、以下のような方法がおすすめです。
- 手の指と足の指を絡めて足の指をぐるぐる回す
- クリームやオイルを使って、ふくらはぎを優しく揉む
- 仰向けになって足首を上下にゆっくり動かす
からだに負担が少なく短い時間でもできるので、赤ちゃんが寝ている時間などに無理のない範囲で毎日のケアに取り入れてみましょう。
塩分を控えてカリウムを摂る
むくみが気になるときは、塩分を摂りすぎていないか、カリウムが不足していないか振り返ってみてください。
塩分には水分を体中に留める働きがあり、塩分を過剰に摂取すると体がむくみやすくなってしまいます。
一方で、カリウムには体内にある塩分の排出を促してくれる働きがあります。ほうれん草やバナナなどカリウムが豊富に含まれている食品を摂るように意識してみましょう。
産後のむくみで病院を受診するべきケース
産後のむくみは、ほとんどが産後1ヵ月ほどでおさまり、長くても産後3ヵ月ほどで改善します。
万が一産後3ヵ月以上ひどいむくみが続いたり、次のような症状がみられたりするときは、すぐに医療機関を受診しましょう。
- 足がかたくなる
- 赤みや熱をともなう
- すぐに疲れる
- せきが出る
- 顔や手足だけでなく、全身にむくみが広がる
これらの症状がある場合、深部静脈血栓症や周産期心筋症、心不全といった病気が隠れているかもしれません。いつもと違うからだの変化を感じたら、早めに病院で診てもらいましょう。
産後のむくみに関してよくある質問

ここでは、産後のむくみに関する質問をまとめました。
産後のむくみのピークはいつ?
出産時に大量の羊水や血液が失われるため、出産直後から産後2〜3日にむくみのピークを迎えるケースが多くみられます。
通常であれば、産後1ヶ月くらいには落ち着くことが多いとされます。
産後のむくみは帝王切開の方が起きやすい?
帝王切開は自然分娩よりも安静期間が長くなるため、むくみを生じやすいといわれます。痛みが落ち着き動けるようになってきたら、足の軽い運動をしたりこまめに水を摂るなどしてむくみ対策を行いましょう。
産後のむくみ解消におすすめの飲み物・食べ物はある?
産後のむくみをやわらげるには、カリウムを多く含む食べ物をとることが大切です。カリウムには体の中の余分な水分を外に出す働きがあります。
特に、きのこ・海そう類・ほうれん草などは、カリウムがたっぷり含まれているため、むくみの解消に効果があるとされています。
一方で、塩辛い食べ物や味の濃い食べ物には、ナトリウムが多く、むくみの原因になることがあります。
むくみが気になるときは、ナトリウムを摂りすぎないように気をつけながら、カリウムを多く含む食材を意識してとり入れてみましょう。
産後のむくみ取りに漢方は効く?
むくみに効果がある漢方薬はいくつかあります。柴苓湯(さいれいとう)という漢方薬は、体の水分バランスを整える作用があり、むくみに効果があるとされています。
ただし、柴苓湯の成分は母乳を通じて赤ちゃんに影響をおよぼすこともあるため、必ず医師や薬剤師に相談したうえで使うようにしましょう。
産後のむくみ解消におすすめなグッズは?
産後のむくみをやわらげるには、着圧ソックスを使うのがおすすめです。足に適度な圧力をかけることで、血液やリンパの流れを整え、むくみの改善をサポートしてくれます。
着圧ソックスを使うときは、自分の足に合ったサイズを選ぶことも大切です。
また、長時間の使用はかえって負担になることもあるため、一度の着用は長くても8時間以内に留めるようにしましょう。
産後のむくみを解消して快適に過ごそう!
この記事では、産後のむくみの原因や解消する方法を紹介しました。
産後は、ホルモンバランスや体内の水分量が乱れ、育児による睡眠不足や疲れが重なることで、普段よりもむくみが生じやすい状態です。
しかし、足のケアをしたり食生活を見直したりすることで、少しずつツラさが和らぐこともあります。無理のない範囲でできそうなことから、少しずつ取り入れてみてくださいね。
Midmama公式インスタグラムのご案内

\ 助産師視点で信頼できる情報を発信中! /
