母乳パットはいつまで必要?使い方は?おっぱいが出過ぎるときの対策も紹介

母乳パットいつまで_サムネイル

母乳があふれて服が濡れてしまう…そんなときに頼りになる母乳パット

使っているうちに、ムレや肌かぶれが気になって「一体いつまで使うのだろう」と悩んでいませんか?

本記事では、母乳パットが必要な期間の目安とパットの選び方・使い方を解説します。

母乳の分泌を安定させる対策もご紹介しますので、授乳生活を快適に過ごすヒントにしてください。

目次

みんなは母乳パットをいつまで使っている?

母乳パットいつまで使う

個人差はありますが、産後6ヵ月から1年半までは母乳パットを必要とするママが多いようです。

ミルク育児では産後早いうちに不要となりますが、母乳育児では断乳・卒乳するまで欠かせないアイテムとなっています。

産後すぐ〜1ヵ月:出産直後から使う人もいる

一般的に、出産直後は母乳がなかなか出ません。

出産してから2〜3日すると母乳をつくるホルモンがよく出るようになり、赤ちゃんがおっぱいを吸うことによって少しずつ増えていきます。

特に初産婦さんは、乳管が開通して母乳分泌が増えるまでに数日かかることがほとんどです。

ただし、母乳が出やすい体質のママや経産婦さんは、乳腺がスムーズに開通することもあります。

出産後すぐに「授乳していない側からポタポタ垂れてくる…」というママは、産後すぐから母乳パットを使います。

産後1〜6ヵ月:母乳の分泌が落ち着くと使う頻度は少なくなる

産後数ヵ月が経つと、母乳の分泌量と赤ちゃんが飲む量のバランスが安定して、母乳パットを使う頻度が減るママもいます。

授乳のリズムが整い、赤ちゃんが上手におっぱいを飲めるようになると、母乳の量はさらに安定していきます。

ただし個人差が大きいため「こんなにあふれるのは自分だけでは…」と不安になる必要はありません。

産後6ヵ月以降:離乳食がはじまると卒業する人が多い

離乳食がスタートすると、パットをつけていなくても母乳が下着に漏れるほどの心配は少なくなります。

赤ちゃんは離乳食で栄養を取れるようになることで、おっぱいの回数が減り、母乳の分泌量も減っていくためです。

一方で、夜間授乳を続けていたり離乳食が進まなかったりすると、母乳パットが欠かせないこともあります。

断乳・卒乳するタイミングで、ようやく不要になるママも多いようです。

母乳パットの役割

母乳パットの役割

母乳パットは、お肌と衣類を清潔に保つのに役立ちます。

出産直後、ママの脳とからだは「赤ちゃんに母乳を届けよう」と活発に働くため、授乳していないときにも母乳が出てくることがあります。

特に、母乳の分泌がいいママや経産婦さんは、ミルク育児でも産後しばらくは母乳がにじむことがあるのです。

濡れた下着はムレやすく、かゆみやかぶれ、炎症の原因になります。

母乳が漏れたままにすると、においが気になったり、外出中にしみ出して焦ったりするかもしれません。

また、母乳を吸収したままの環境は雑菌が繁殖しやすく、菌がついたおっぱいで授乳すると、赤ちゃんが感染症にかかるリスクもあります。

母乳パットはこうした心配やトラブルから守り、快適な授乳生活を支えるアイテムです。

母乳パットは大きく2種類

母乳パットの種類

母乳パットには、以下の2種類があります。

  • 使い捨てタイプ
  • 布製タイプ

自分にとって心地いいタイプを選ぶために、それぞれのメリット・デメリットを知りましょう。

使い捨てタイプ

使い捨てタイプは、お手入れせず衛生的に使えるのが魅力です。

汚れたらすぐに捨てられるため、忙しいママでも手軽に使えます。

メリットデメリット
手軽に使えて衛生的
吸収力が高く、漏れにくい
個包装で持ち運びが便利
コストがかかる
肌に合わず、湿疹やかゆみが出ることがある

使い捨てタイプは洗う手間がなく便利な反面、1日に何枚も必要なためコストがかかります。

肌が弱いママはかぶれる製品もあるため、素材選びに気をつけましょう。

布製タイプ

布製タイプは、お肌への優しさが特徴です。オーガニックコットン、メッシュ、パルプと、さまざまな素材があります。

自分が心地いいと思う商品を選ぶと良いでしょう。

メリットデメリット
繰り返し使えるため経済的
通気性がよくムレにくい
肌に優しい素材が多く、敏感肌の人にも適している
洗濯の手間がかかる
吸収力が劣る場合があり、頻繁な交換が必要

洗濯すれば繰り返し使えて経済的ですが、毎回洗う必要があるため手間に感じる人もいます。

母乳パットの具体的な選び方は、記事の後半で解説します。

母乳パットの使い方

母乳パットは、正しくフィットさせることが大切です。

せっかくつけてもズレていると隙間から母乳が漏れ、下着が濡れたり肌がかぶれる原因になります。

使い捨てタイプと布製タイプ、それぞれの使い方を順に解説します。

使い捨てタイプ

粘着面を中央に貼り、下着からはみ出ないように貼り付けましょう。

乳首とパットが合うように位置を調整し、軽く押さえて密着させます。

母乳パットの使い方
画像引用:dacco公式サイト|母乳パッドについて

布製タイプ

パットがズレないように、授乳ブラと胸の間に挟むように位置を定めます。

立体構造になっている製品は、固定しやすくおすすめです。

母乳パットの使い方2
画像引用:nunona公式サイト|ママにやさしいnunonaのオーガニックコットン母乳パッド

どちらのパッドでも、乳首を中心にピタッと密着させるのがポイントです。

動いてもズレにくくなり、母乳漏れを防げます。

母乳パットはどう選ぶべき?

母乳パットの選び方

母乳パットは、素材やサイズ、使うシーンに合わせて選ぶといいでしょう。

快適な授乳ライフを過ごすためには、母乳パットによるお肌のトラブルや不快感を防ぐことも大切です。

肌に優しい素材を選ぶ

皮膚かぶれを防ぐために、肌に優しい天然素材や通気性のいい素材を選びましょう。

母乳パットは長時間肌に触れるため、通気性が悪いとムレや湿疹、かゆみなどの肌トラブルを引き起こしやすくなります。

特に敏感肌の人は化学繊維が合わないこともあるため、布製タイプにするか、肌に優しいオーガニックコットンの使い捨てタイプがおすすめです。

自分に合うサイズと形状を選ぶ

乳首をしっかりカバーできるサイズ・形状の母乳パットを選びましょう。

サイズや形が合わないと、動くたびにズレやすくなり母乳が漏れる原因にもなります。

サイズと形状は、以下のポイントを参考に選んでみてください。

  • 乳首全体が覆えるか
  • 立体構造の製品か

ほどよい厚みがあると密着しやすくズレを防げます。

フィットしやすい立体構造のパットで、乳首全体をカバーするのがおすすめです。

使用シーンに合わせる

以下のように、母乳の量や生活スタイルに応じて使い分けるのもよいでしょう。

使い捨てタイプ布製タイプ
母乳分泌量安定している~多い安定している
使うシーン夜間自宅

母乳量が多い時期や、夜間・外出時など長時間取り替えられないときは、吸収力の高い「使い捨てタイプ」が安心です。

量が安定してきたら「布製タイプ」を選んでもいいでしょう。

肌への負担やコスト面に配慮できます。

母乳パットを使うときの注意点

肌トラブルを防ぐためには、母乳パットの適切なお手入れが欠かせません。

ここでは、清潔に保つために気をつけたいポイントを解説します。

3~4時間おきに交換して雑菌の繁殖を防ぐ

母乳パットはこまめに交換しましょう。

母乳が吸収されたパットを長時間つけっぱなしにすると、雑菌が繁殖しやすくなります。

肌荒れだけでなく、ママの乳腺炎や赤ちゃんの感染症を引き起こす原因にもなります。

パットは少なくとも3〜4時間ごとに交換してください。

授乳のタイミングで交換すれば、清潔な状態を保てます。

布製タイプはやさしく手洗い・よく乾かす

布製タイプの母乳パットは、ぬるま湯と石けんで優しく手洗いください。

すすぐときは、汚れが落ちているかを確認しながら水を何度か交換しましょう。

十分にすすいだら形を整え、風通しの良い場所でしっかりと乾かします。

母乳パットがないときの代用アイデア

母乳パットの代用品

母乳パットを切らしてしまった場合は、身近なアイテムで代用できます。

  • ハンカチ
  • ガーゼ
  • 生理用ナプキン
  • おりものシート
  • 小さなタオル

これらをブラジャーのパット部分に挟むと、ある程度母乳の漏れを防げます。

ガーゼやハンカチは、摩擦を防ぎつつ母乳を吸収できます。

生理用ナプキンは粘着テープでブラジャーに固定できるため、使い勝手が良いアイテムです。

ただし、いずれも母乳用に作られたものではありません。

衛生面を踏まえて、緊急時や買い足すまでの間とし、長時間の使用は避けましょう。

母乳が出過ぎるときの対策

母乳が出過ぎるときは、以下のように対処してみてください。

  • 母乳を出しきらない
  • 授乳前に乳輪を柔らかくする
  • 授乳体勢を整える

赤ちゃんの飲む量よりも母乳の出る量が多いと、乳腺炎につながることもあります。

早めに母乳分泌を落ち着かせる工夫をしましょう。

母乳を出しきらない

母乳が張ってつらくても、無理に手や搾乳器で絞り切らないようにしましょう。

おっぱいを出し切ってしまうと、からだが母乳が足りなくなったと反応し、かえって母乳量が増えてしまいます。

授乳前に乳輪を柔らかくする

授乳前に乳輪をやわらかくしておくと、赤ちゃんが飲みやすくなります。

軽く圧を抜き、くわえやすい・吸いやすい状態にしてから授乳しましょう。

【乳輪のマッサージ方法】

  1. 親指・人差し指・中指で乳首全体をつまむ
  2. ゆっくり圧迫し、徐々に力を加えていく
  3. 横方向・縦方向に乳頭を伸ばす

参考:搾乳ってどうやるの 〜乳頭・乳輪のマッサージ〜|岡山大学大学院保健学研究科

授乳体勢を整える

からだを少し後ろに倒すリクライニング姿勢、横になった姿勢は、母乳の勢いをやわらげるため赤ちゃんが吸いつきやすくなります。

少しずつ角度を変えて、ママと赤ちゃんにとって心地よい体勢を見つけましょう。

授乳姿勢
画像引用:たつの市健康福祉部健康課|授乳のギモン解消ガイド

授乳方法を工夫する

片方の乳房だけで授乳する「ブロックフィーディング」という方法もあります。

ブロックフィーディングは、片方の授乳頻度が減るため、母乳分泌を抑える効果があります。

ただし、誤った方法で行うとおっぱいのトラブルを引き起こしてしまうこともあるため、必ず母乳育児に詳しい助産師で習ってから行いましょう。

>> 授乳方法が学べる助産院はこちら

母乳パットに関するよくある質問

母乳パットについてよくある質問

ここでは、母乳パットについてよくある質問にお答えします。

母乳・混合・ミルク、それぞれで母乳パットがいらなくなる時期は異なりますか?

母乳パットが必要な期間は、完全母乳・混合育児・ミルク育児によって異なります。

母乳育児の場合、卒乳や断乳の時期まで使うママが少なくありません。

ミルク育児でも、産後しばらくは母乳がにじむこともありますが、すぐに減っていくため母乳育児よりも必要な期間は短いでしょう。

母乳量は個人差が大きいため、たくさん出るからといって過度に不安になる必要はありません。

ただし、あまりにもたくさん出すぎると乳腺炎になるリスクが高まります。

母乳があふれて悩むときには、早めに助産院に相談しましょう。

母乳パットは1日にどのくらい必要ですか?

衛生的に母乳パットは3〜4時間ごとの交換が望ましいため、1日5〜8セットくらい準備しておくと安心です。

母乳で湿ったままだと肌のかぶれやかゆみの原因になります。

母乳が出やすいママや授乳回数が多い時期は、余裕をもって用意しておきましょう。

使い捨てタイプが余ったらどうしたらいいですか?

未開封で使用期限内のものであれば、次の出産・育児に使えます。

保存状態がよければ、およそ製造から3年間は使用できます。

また、以下のように活用するのもいいでしょう。

  • 揚げ物など油の処理
  • 窓やシンクの掃除
  • 食べこぼしや飲みこぼしの拭き取り
  • 赤ちゃんの嘔吐の掃除

母乳パットは吸水性が高く、柔らかい素材のため拭き掃除にも活かせます。

自分に合う母乳パットで授乳期間を快適に過ごそう

母乳パットは、授乳中のママにとって母乳漏れを防ぐ大切なアイテムです。

母乳が出過ぎて悩んでいる人は、母乳の分泌を整えるケアも意識してみましょう。

母乳の量や授乳の仕方で悩んだら、助産師に相談すると安心です。

母乳パットを上手に活用しつつ母乳量を安定させ、赤ちゃんとの授乳時間を心地よく過ごせるといいですね。

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この記事を書いた人

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