【助産師インタビュー】無痛分娩の「現場のリアル」とは?

M助産師_無痛分娩に関するインタビュー

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無痛分娩を希望する人は、年々増えています。

しかし、実際の現場では、病院の体制によって対応の仕方に違いがあることも。

そこで今回は、現場で働く助産師さんに、無痛分娩の実際や感じている課題についてお話を伺いました。

今回お話を伺った助産師さん

Mさん(助産師6年目)

関東圏某所の総合病院に勤務し、これまでに100件以上の出産に関わる。

目次

無痛分娩は、かなり増えている

――無痛分娩はどのくらいありますか?

Mさん(以下M)私の働いている病院では、全体の1/3くらいが無痛分娩です。

希望される方は確実に増えています。

――どのような体制で無痛分娩をしていますか?

M 自然に陣痛が来てから、麻酔を入れるタイプの無痛分娩をしています。

無痛分娩をできるのは、昼間だけです。

麻酔科の先生が24時間常駐しているわけではないので、夜に陣痛が始まってしまうと無痛分娩ができません。

無痛分娩の良さと葛藤

――無痛分娩に関わってみて、どう感じていますか?

M いい面も悪い面も感じています。

良いところは、やっぱり体力を温存できることだと思います。

特に高齢初産の方が無痛分娩をすると、産後の回復が良いと感じます。

一方で、私の働いている病院では日勤帯にしか無痛分娩に対応できないため、昼間にお産が進まなければ帝王切開になるケースもあります。

本来なら経膣分娩できそうな方でも、タイミングの問題で手術になることがあるのは、やっぱり少しモヤモヤしますね。

経産婦さんの場合は、お産の進みが早くて怖いこともあります。

痛みがある場合は、陣痛がきているときの声の出方や力の入り方で、お産の進み具合を予測できます。

でも、痛みがないと「気づいたらもう子宮口が全開!」ということもあって、助産師はつきっきりになりますし、お産が重なっていて忙しいときは怖いと思うこともあります。

「思ったお産じゃなかった」と感じるママも

――無痛分娩で印象に残っているエピソードはありますか?

M 無痛分娩の途中で赤ちゃんの心拍が落ちて、緊急帝王切開になった方がいました。

実際には無痛分娩だけが原因だったわけではなく、いろいろな要因が重なって帝王切開になったケースでしたが「無痛を選んだから帝王切開になった」と、自分を責めていました。

もちろん説明はしましたが、それでも「自分の選択がいけなかったのかも」と感じてしまっていたようです。

無痛分娩を選ぶなら、医療体制を確認して

――無痛分娩を希望する方に伝えたいことはありますか?

M 無痛分娩がダメだとは思っていません。

でも、無痛分娩を選ぶなら、麻酔科の先生が24時間常駐していて、NICUがあるような病院を選んだ方がいいと思います。

大学病院や大きな施設の方が、もしものときの対応がスムーズです。

編集部まとめ

無痛分娩には、痛みをやわらげて体力を温存できるという大きなメリットがあります。

一方で、病院の体制や時間帯によっては、通常の分娩とは違う制約やリスクが生じることもあります。

どんなお産の仕方を選ぶとしても、まずは正しい情報を知り、納得して臨むことが大切です。

出産の経験は、育児への気持ちにもつながっていきます。

自分が「これでよかった」と思えるお産を目指して、心と体の準備を整えていきましょう。

Midmamaでは、助産師の活動や助産師の想いを伝える取材しています。

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