助産院で受けられるイトオテルミーってなに?怪しい?効果や注意点も解説

イトオテルミー_サムネイル

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出産後の体調不良や疲れ、育児のストレスが重なる中で、自然なケア方法を探して「イトオテルミー」という言葉にたどり着いた方も多いでしょう。

イトオテルミーは宗教ではなく、自然治癒力を高めることを目的とした民間療法です。

助産院などで専門知識を持つ施術者が行うため、妊婦さんや赤ちゃんにも安心して取り入れられています。

この記事を読めば、イトオテルミーがどんなものか正しく理解でき「怪しい」と感じていた不安が和らぎます。

自分や赤ちゃんに合った自然療法を取り入れる判断材料として、ぜひご覧ください。

目次

イトオテルミー温熱療法とは?

イトオテルミーとは

イトオテルミーは、からだをじんわり温めながらやさしく刺激を与え、自然治癒力を高める温熱刺激療法です。

イトオテルミーは、1929年、伊藤金逸医学博士の20年にわたる研究と実験を経て考案されました。

伊藤博士の名前に由来して「イトオ」、ギリシャ語のThermie(温熱)に基づいて「テルミー」と名付けられています。

当初は「病気になってから治すのではなく、日々のケアで健康を保つこと」を重視して、自宅でのセルフケアとして提唱されました。

しかし、現在では、施術者のいる一部の助産院などでも取り入れられ、妊婦さんや産後ママ、赤ちゃんへのケアにも提供されています。

イトオテルミーは怪しい?

イトオテルミーは宗教的な考えを背景に生まれた歴史があります。

そのため、検索すると「怪しい」「宗教」といった言葉が出てくることもありますが、現在は宗教とは切り離され、助産院や家庭で使われている温熱療法です。

ここからは、そうした誤解が生まれた背景や、現在の正しい位置づけについて詳しく解説していきます。

もともとは宗教的な考え方がベースにあった

イトオテルミーは、もともと「観音信仰」に基づく思想を背景に生まれた温熱療法です。

しかし、現在は医学博士の研究をもとに民間療法として使われています。

一部の助産院では、妊娠中や産後のママが心地よい温もりと安心感が得られる方法として取り入れられています。

医療とはカテゴリが異なる

イトオテルミーは、私たちが慣れ親しんでいる「治す医療」とはアプローチが異なります。

からだの自然治癒力を高めることを目的とした民間療法です。

科学的な根拠が十分にあるわけではありませんが、からだを温めることで心身が整うとされ、実際に理学療法やリハビリの現場でも活用されています。

イトオテルミーの特徴

イトオテルミーの特徴

イトオテルミーは、体をじんわりと温めることでリラックス状態へと導く温熱刺激療法です。

刺激がとても穏やかであるため、強い痛みや不快感を伴うことはほとんどありません。

また、副作用のリスクが少ないとされ、薬との併用にも基本的に差し支えない点も特徴です。

イトオテルミーは、からだの緊張をやわらげながら、心と体の両面にやさしく働きかけ、深いリラックスを促してくれます。

イトオテルミーで期待できる効果

イトオテルミーでは、からだを温めることで、以下のような変化が期待できます。

  • 血行を促し、疲労をやわらげる
  • 筋肉のこりや疲れをほぐす
  • 神経痛や筋肉痛の不快感を軽減する
  • 胃腸の働きを整える

科学的根拠は乏しいものの、からだにやさしい自然なケアとして、長い間妊婦さんや産後ママ、赤ちゃんに向けても活用されています。

妊婦さんや産後のママ、赤ちゃんに対して期待できる効果は、次のとおりです。

妊娠中や産後のママ

妊娠中や産後のママは、心身にさまざまな不調を抱えやすく、代表的な症状には以下のようなものがあります。

心身の不調具体的な症状
からだの疲れ・不調疲労感、むくみ、冷え
消化器の不調胃もたれ、便秘、下痢
痛み肩こり、腰・肘・手首の痛み
メンタル面イライラ、気分の浮き沈み

とある報告によると、イトオテルミーによる血行促進や筋肉の緊張緩和、心地よい温かさによって爽快感や眠気を感じることが確認されています。

また血行の改善が期待されることから、授乳中のおっぱいのつまりや痛みのケアとして取り入れている助産院もあります。

赤ちゃん

イトオテルミーは、赤ちゃんの情緒を安定させ、心身の発達を促す目的で使われることもあります。

また、以下のようなトラブルをケアするためにも用いられています。

  • うんちが出にくい
  • 寝つけない
  • 皮膚の湿疹が気になる

ママの体調管理とあわせて親子で一緒に受けるのもおすすめです。

イトオテルミーの施術方法

イトオテルミーでは、「冷温器」という専用の器具にテルミー線を装着し、点火して皮膚の表面を摩擦することで温熱刺激を与えるように施術します。

テルミー線はお香のように細長く、火をつけるとじんわりとした熱と独特の香りを発します。

テルミー線が発する熱を冷温器に伝えることで、肌に直接火が触れることなく、心地よい温かさをからだに届けます。

施術方法は以下の3通りです。

① 摩擦法:皮膚に触れながら動かす基本の方法

イトオテルミー_摩擦法
画像引用:イトオテルミー親友会|イトオテルミー療法 製品と施術方法

② 点擦法:一点に押し当て、熱と圧の刺激を与える方法

イトオテルミー_点擦法
画像引用:イトオテルミー親友会|イトオテルミー療法 製品と施術方法

③ 空間法:皮膚に触れず、煙や熱、光で刺激を与える方法

イトオテルミー_空間法
画像引用:イトオテルミー親友会|イトオテルミー療法 製品と施術方法

3つの方法は、症状や体調に応じて使い分けされ、安全性にも配慮して行われます。

詳しくは、以下の動画もご参照ください。

イトオテルミーの注意点

イトオテルミーの注意点

イトオテルミーは心身のケアに役立つ一方で、注意すべき点もあります。

この章では、効果を安心して活用するために知っておきたい注意点や、受ける際のポイントを紹介します。

病気を治す効果はない

イトオテルミーは、病気そのものを治すものではありません。

なぜなら、医学的治療ではなく、自然治癒力を引き出して体調を整えるサポートをするための民間療法だからです。

症状が長引いたり、悪化する場合には自己判断せず、必ず医師の診察を受けましょう。

また、以下のような方は施術を避ける必要があります。

  • 炎症や皮膚症状がある方
  • 帝王切開など術後の傷がある方
  • 発熱や嘔吐など急性の症状がある方

適切なタイミングと体調を見ながら活用することが大切です。

専門知識を取得した人による施術が必須

イトオテルミーは、専門知識をもった施術師や助産師による施術が基本です。

専用キットを購入すれば自分でも施術できますが、冷温器の扱いや力加減にはコツが必要なため、自己流で行うのは避けましょう。

必ず正しい知識と技術を身につけてから使用することが大切です。

特に妊婦さんや産後のママは、からだがデリケートで、赤ちゃんは体温調整機能が未熟です。

通常よりも細やかな配慮が必要になることを覚えておきましょう。

イトオテルミーは助産院で受けられる

妊娠中〜産後のママがイトオテルミーを受けたい場合は、助産院で受けるのがおすすめです。

助産師は妊婦さんや産後ママの体調に詳しく、施術時のからだの状態をしっかり見極めてケアしてくれます。

また、乳房の張りやおっぱいの詰まりといった授乳トラブルにも対応できるため、施術とあわせて育児の相談にも乗ってもらえます。

助産院での料金相場

助産院でイトオテルミーを受ける場合、料金の目安は以下のとおりです。

時間の目安料金相場
全身施術40〜60分程度4,000〜6,000円前後
部分・短時間施術20〜30分程度2,000〜3,500円前後

地域や施術内容、出張サービスの有無により前後します。

詳細が気になる方は、事前にそれぞれの助産院に確認すると安心です。

イトオテルミーは産後のコンディションを支える選択肢のひとつ

イトオテルミーは、産後の体調管理やリラックスに役立つ家庭健康法のひとつです。

妊婦さんや産後のママ、赤ちゃんにも配慮すれば使えるため、親子でリラックスできる時間にもなります。

ただし、あくまでも民間療法であり治療ではないため、体調不良が続く場合は病院を受診することが大切です。

興味がある人は、専門知識を保有している人のもとで体験してみましょう。

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この記事を書いた人

Midmama(ミッドママ)は、助産師が運営する「助産師とママをつなぐ」Webメディアです。全国各地で活躍する助産師さんたちの想い、妊娠や出産に関する専門的な知識をお届けします。

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